こんにちは。
今回は、山崎俊輔著「普通の会社員でもできる‘日本版’FIRE超入門」をご紹介します。
FIRE(ファイア:Financial Independence, Retire Early)とは、経済的自立による早期リタイアのことです。
お金や将来の不安から抜け出し、自由になりたいと思っている方にとって、FIREに取り組むことが、自分の老後の経済的安心づくりや、将来の働き方の見直しにもつながることでしょう。
本書では、日本の税制、社会保険制度を踏まえて、年代別にFIREへの取組み方が書かれています。
ここでは、その一部について、ピックアップしてご紹介します。
1.この本の特徴
アメリカで出版されたFIRE解説本の翻訳版は、当然ながらアメリカの制度が前提となって書かれています。
それに対し、この本の主な特徴は以下のとおりです。
- 社会保険制度、税制優遇制度、退職金制度など日本の制度にもとづいて解説
- 誰もが実行可能な投資方法でFIREを目指す内容
FIREについて本気で考えることで次のような効果があります。
- 何歳まで、どのように働きたいのか、自分の目指す働き方がわかる
- リタイアして何をするのか、自分の本当にやりたいことがわかる
2.FIREに必要な金額の試算
一般的なFIREの方法は、
- 年間生活費の25倍の金額を金融資産として蓄える
- 年4%の運用益を見込んで、金融資産を年4%で取り崩す
以上により、資産は減らずにリタイア生活を送ることが可能となります。
仮に年400万円で暮らすとすれば、1億円を確保すればFIREが達成できます。(1億円×4%=400万円)
ただ、1億円の資産を確保するのは、一般サラリーマンには非常にハードルが高いといえます。
この本では、運用益に過度に依存しない形で必要額の試算を提示しています。資産の取り崩しを前提にすると、資産運用に依存しなくても早期リタイア生活が可能となります。
この本では、早期退職を世代別に分けて、この年齢でFIREするならいくら必要か試算しています。
ここでは、実現可能性が高い「プチFIRE」(標準退職年齢65歳より5年だけ早いリタイア)についてご紹介します。
プチFIREの場合、65歳までの5年間を年400万円で過ごすなら、2000万円あればいいことになります。
ただし、65歳以降、公的年金だけでは生きがいやゆとりのための予算が確保できないため月5~6万円必要だとすると、別に2000万円必要となります。
さらに老後の資金に不安がある場合、プラス1000万円用意するとなれば、5000万円以上の確保が、安心してプチFIREできる分岐点となります。
3.自分がプチFIREするなら
私は、65歳以降、公的年金では足りない生活費は、金融資産の年4%取り崩しで穴埋めしようと考えています。
仮に私が60歳でリタイアする場合に必要な金融資産を試算してみました。
<65歳以降の生活費>
<60歳から65歳までの生活費>
- 金融資産の4%取り崩し(2500万円×4%=100万円)
- 4%取り崩しでは足りない生活費は、別途キャッシュを用意して取り崩す
(仮に足りない生活費が年300万円の場合、300万円×5年分=1500万円必要)
このケースでは、4000万円(2500万円+1500万円)以上がプチFIREできる分岐点となります。
実際には、出生率低下がさらに進んで公的年金が減額されたり、インフレによる生活費の上昇などのリスクがあるので、FIRE後の生活費には余裕を持ちたいものです。
まとめ
この本では、日本の税制、社会保険制度を踏まえた‘日本版’FIREについて、年代別の取組方法が詳しく書かれています。
お金や将来の不安から抜け出し、自由になりたいと思っている方にとって、FIREに取り組むことが、自分の老後の経済的安心づくりや、将来の働き方や生き方の見直しにもつながってきます。
FIREに興味を持たれた方は、まず「プチFIRE」を目指して、NISAなどで資産運用し、順調に資産が積み上がっていけば、
「50代FIRE」、さらに「40代FIRE」を目指してはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※資産運用やFIREはリスクが伴いますので、自己責任でお願いします。
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